点字通信第13号 群馬県立盲学校 点字係 令和6年7月12日(金)発行 触ってわかる!~新しいお札編~   今年7月3日に新しいお札が発行されました。これに伴い、触ってお札を区別することができる工夫も、 よりわかりやすいように一新されました。点字通信第11号の「触ってわかる!~現行のお札編~」と比較してお楽しみください! 1つめはお札の横幅についてですが、これは変更がありませんでした。 2つめは「識別マーク」についてです。新しいお札では、識別マークの形はどのお札でも共通になり、マークがついている位置によって触り分けができるようになりました。 識別マークが付いている面がお札の表で、マークの形は11本の斜線です。以前のものは幅1mmにも満たない細い長さ1cmほどの線や5mm程度の八角形であったのに対し、あたらしいものは斜線全体で1cm×2cmくらいのサイズがあり、「縦線がたくさん並んで横長の長方形を形作っている」という感じの触り心地です。 1万円は縦の短い辺の中央にあります。お札の左右に付いているイメージです。5千円は横の長い辺の中央です。お札の上下にある感じです。千円は左下と右上の角に付いています。マークの向きは縦長になるよう配置されています。 (PDF版では画像が3つ配置されており、それぞれ1万円札、5千円札、千円札の各表面の画像の識別マーク部分に赤い枠で印がついている。) これをお財布に入れたままで触り分けるには、右の角にマークがあれば千円、長い辺の中央にあれば五千円、どちらにもなければ一万円ということになりますね。ちなみに私は点字を読む左の人差し指で識別マークを触りたいため、裏返してお財布に入れます。こうすると千円のマークは左の角にきます。  蛇足ですが、新しいお札は識別マークの位置が対称となる位置についているため、マークだけでは上下の見分けがつかなくなりました。  3つめはホログラムについてです。これまでのお札は千円にはなかったのですが、新しいお札にはすべてのお札に入りました。一万円は左の識別マークの右側に幅2cm、縦はお札の幅いっぱいくらいのサイズのホログラムが、五千円は左半分の中央くらいの位置に一万円と同じくらいのサイズのものが、千円は左下の識別マークの右側に3cm×3cmほどの四角いホログラムがあります。  他の部分よりはつるっとしていますが、とっさの触り分けにはあまり実用的ではないかもしれません。しかし、ホログラムと識別マークの組み合わせにより、お札の上下を判断することができます。 (PDF版では画像が3つ配置されており、それぞれ1万円札、5千円札、千円札の各表面の画像のホログラム部分に赤い枠で印がついている。)  上記のような触り分け以外にも、金額の文字は、漢字よりもアラビア数字での表記の方が大きくなり、とても見やすくなりました。 (PDF版では画像が3つ配置されており、それぞれ1万円札、5千円札、千円札の各裏面の画像のアラビア数字部分に赤い枠で印がついている。)  また、紫外線を当てると発光したり、傾けると浮かび上がる文字が隠されていたりするなど、新しいお札にも多くの不思議が隠されています。ぜひ発見してみてくださいね! (紙幣の画像は国立印刷局のウェブサイトより)