点字通信(since 2016)

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点字・情報通信 第7号

点字・情報通信   第7号

2019年11月1日(金)発行:自立活動点字係


点字の日 校内放送より

点字使用者の読書環境
 ~ブライユの頃と現在を比較して~

新楽 和則

 今日11月1日は私たち視覚障害者にとって、とても大切な日です。なぜなら、日本で点字が誕生した日だからです。1890年の11月1日のことでした。
今日はこの時間をお借りして、点字について少しお話をさせていただきたいと思います。
 皆さんはサピエ図書館を知っていますか?全国の点字図書館、点訳ボランティアの方々が作成した点字図書、デイジー図書を集めたホームページのことで、現在、点字データ18万タイトル、デイジーデータ7万タイトルを保管しています。このサービスに登録した人は、何冊でも自由にダウンロードすることができ、好きなだけ読書を楽しむことができます。
 話は遡ること200年前。世界で初めて点字を作ったルイ・ブライユさんがパリの盲学校に入学した頃の話です。「暗闇の中のきらめき」という本によると、この当時の盲学校の図書室には、なんと3冊しか本がなかったそうです。しかも、普通文字を浮き上がらせて作ったもので、とても読みにくく、大きくて不格好だったため、自由に持ち運ぶことさえできなかったそうです。この本には、ブライユさんが図書室に初めて入った時の期待と失望とが分かりやすく描かれています。そして、この時の思いがその後の点字の発明へと繋がっていることをうかがい知ることができます。
 200年が経過した今、私たち視覚障害者の読書環境は大きく変化しました。読みたい本を読みたい時に自由に読むことができる。仮に点訳されていなかったとしても、全国には多くの点訳ボランティアがいて、短期間のうちに本を作成してくれる。まさしく、夢のような世界です。今このような環境があるのは、ブライユさんをはじめ、点字に携わってくれた人たちの日々の努力のおかげです。今日1日ぐらいは、こうした先輩方に感謝の気持ちを持ってすごしていただけるとうれしいです。

第18回六星祭 点字コーナーのおしらせ

 第18回六星祭では、北校舎1階の第2プレイルームが点字コーナーとして生まれ変わります。
 点字コーナーでは、点字盤やブレイルセンスなどの点字機器をはじめ、点字関係の書籍や点字が付いた日用品の紹介、パソコンを使った点字印刷の実演などを行います。それぞれの展示物については担当のスタッフが説明いたしますので、お気軽にお声がけください。
 また、パネル展示として点字の成り立ちなどの説明もあり、1分間に書いた「メ(点字)」の数を競う点字コンテストも開催予定です。参加者には可愛らしい点図が描かれたしおりをプレゼント。点字について知りたい、興味がある、読んでみたい、書いてみたい、点字機器を見てみたい、使ってみたいという方、ぜひこの機会に点字コーナーに足を運んでみてください。皆さんのご来場をお待ちしています。