点字通信(since 2016)

点字通信

点字・情報通信 第6号

点字・情報通信   第6号

2018年11月30日(金) 
発行:点字・情報研究係

点字競技の進め方について

 平成27年6月から始まった「校内点字練習会」も回を重ね、次回(12月19日(水))で、13回目となります。今年度は、多くの方に参加のチャンスを広げるため、放課後に行っています。問題の録音には、校長先生と教頭先生にご協力いただきました。参加者の半数以上は、日頃は墨字を使用している生徒・事務職員・教員ですが、点字使用の生徒達と机を並べて練習します。いずれの回も、大会議室では熱気溢れる20分間となります。筆記の時、コツコツと点筆の音だけが響く独特の緊張感も、これまた格別です。
 さて、今回の点字・情報通信は、これまで点字練習会に参加した方、またこれから参加しようかなとお考えの方に向けて、本校の点字練習会での競技の進め方に触れます。できれば、お手元に点字盤を用意し、実際に書いてみてください。
 まず、基本的な知識として、点字盤の1行は32マスです。懐中定規は6行、標準型点字盤では18行書けます。点字を書くときは読むときと逆の、右から左に向かって書きます。

懐中定規の一部の画像と、ア~オまでの凸面・凹面の図が表示されています 1. 氏名の書き方

 学部、学年、氏名は書き上がったときに右寄せになるように、左端のマスから右に向かってマス数を数え、必要なマスからスタートして左に向かって書くことになります。学部、学年、氏名の間はそれぞれ2マス空けます。名前と氏名の間は1マス空けます。(例えば、「コートーブ■■数符1ネン■■アライ■ヒロム」なら、左から21マス目から左に向かって書き始めます。)
 競技は、メ書き、五十音書き、転写(写し書き)、聴写(聞き書き)の4つです。以下全ての競技で、「用意」の合図で点筆の先を上に向け、左手は定規に触れます。「始め」で書き始め、「やめ」で終わります。

2.メ書き(30秒間)


 1マス目から書き始め、メの字を続けて書きます。

3. 五十音書き(2分間)

  • 五十音をアイウエオ ・・・ ラリルレロ ワイウエヲと正しい順序で繰り返し書きます。5字ずつ続けて書き、次を1マスあけます。
  • 最初の行に、ナ行まで書き、2行目には、ハ行からワ行まで書きます。
  • ヤ行は、「ヤイユエヨ」と書き、ワ行は、「ワイウエヲ」と書きます。
  • 「ン」は書きません。「ヲ」が行末に書き終わったら、次の行に「ア・・」と書いていきましょう。1行書けると30点、ワまで書けると60点です。

4. 転写(2分間)

  • 用意された問題文をそのまま写し書きします。問題文の1行目にある文 は答案の1行目に、問題文の2行目にある文は答案の2行目に書き写します。途中でミスして1行に1行分が書ききれなくても、2行目に1行目の続きを書くことはしません。
  • 問題文の書き出しは2マス空いていますので、転写するときにも3マス目から書き始めます。この空きマスも得点になります。

5. 聴写(2分間)

  • 録音された文章を聴き、読み上げられる文章を書きとります。
  • 点字練習会では、競技会のように2度読みはせず、読むのは1度きりなので、読み始めたらすぐに書き始めます。
  • 書き出しは2マス空けて、3マス目から書き始めます。
  • 聞こえたものの全てを書くのが難しくてもあきらめずに、途中で聞こえた単語など書ける部分をどんどん書いていきます。句点(。256の点)の後は2マス空けます。この空きマスも得点になります。
  • 朗読が終わってから5秒後の「やめ」の合図で終わります。
  • 読み上げの時間は1分55秒(100音節)です。

 本校では点字を使用する児童生徒の数が減っており、直接点字の指導に関われない職員も少なくありませんが、末永く、職員と児童生徒たちが共に点字を使うことを楽しみ、点字の力を磨き合える学校でありたいと願っています。

※)本通信は、校内向けに作成されたものを一部修正し、ホームページに掲載しています。