見え方を知りたい
眼疾患 

 外界の事物を明瞭に認知するためには、網膜上にそれらが鮮明に像を結ぶこと、その網膜映像か正しく中枢に伝達されること、および認知中枢が適切に働くことか必要です。この過程で何らかの問題か生じると、視覚障害が発生します。光(視覚情報)は、角膜、房水、水晶体、硝子体を通って網膜に到達します。その間、光は角膜と水晶体で屈折し網膜にきれいに結像します。
 網膜には錐体細胞と桿体細胞という2種類の視細胞か存在します。
 錐体細胞は網膜の中心部に多く分布し、主として色や形を感じます。網膜の中心窩近に密に分布していて視力がもっとも高くなります。
 桿体細胞は網膜の周辺部に多く分布し、主として光を感じています。

 


視力値から

 視力1.0という単位は、視覚(1/60度)の間隔で網膜上に映った2点の映像を、2点として識別する分解能力を示しています。
 視覚1分(1/60°)のランドルト環の切れ目がわかった時、視力1.0とします。


ランドルト環

 ランドルト環での視力測定ができない場合でも、ドットカードて測定定可能な場合があります。
「お目々どこ?とたずね、指ささせます。
 

ドットカード


最大視認力

 任意の距離から視認出来る近距離視力表のもっとも小さな視標の値をいいます。これは視力ではありませんか、弱視児か実際にどの大きさのものならば見分けられるのかを知る手がかりとなります。弱視児の場合、視距離を短くして見ていることか多いのです。もし視力値か同じであっても、この距離をどこまで縮められるかによって見分けられる大きさか違ってきます。
 視認可能な近距離視力表の大きさ/線視距離(左右の別)のように記載します。



視野

 眼を動さないで見える範囲です。
 健常者では真横(180°)を越えても見えるのですが、弱視児の中には、視野が5°以下
の子もいます。

視野

 視野5°では1m離れて直径17cm位の範囲しか見えないので、人の顔がやっとわかる程度の範囲しか見えません。
 視野が狭くなると歩行など生活場面で大きな不白由が生じます。


色覚

カラーメイトテスト
カラーメイトテスト


 学校教育の場で色覚に対する配慮か必要であるか否かをスクリーニングする検査です。縦、横の色の仲間をさがします。


行動観察

  行動観察から視カ測定ができなくても、何か視覚的な刺激になったかを観察すれぱ、おおよその視機能を知ることかできます。図は、床に散らぱったピー玉を捜して拾っているところです。どの距離からどのピー玉を発見できたかがわかれば、「視角」から視力値を求めることかできます。図では、窓に向いて床面が白い状態と、窓を背にして床が濃色の状態で見え方を比較しています。光の条件による見え方の違いも併せてみているところです。

行動観察