教材・学習支援
弱視児の指導は「視覚によって対象を明確に認知させるための指導」と「視覚認知能力を高める指導」が、大きな柱になります。視覚障害は「感覚入力障害」で、情報入力の部分に制限があります。しかしその点を改善しても、視経験が不足していて、視覚的認知が未発達な場合もあります。そのために、見やすい学習環境を整え、最適な視覚教材を活用し、視覚的認知の能力も高めていくようにする事が大切になります。健常児の場合には、取り立てて視覚的認知の学習を考えなくても日常生活の中で自然に発達していきますが、弱視児の場合、意図的に環境を整えていくことか必要になってきます。
(※各種レンズについては補助具の項で取り上げています。)拡大教科書
一般の教科書(上段)と拡大教科書(下段)
斜面机 弱視児の場合、視距離を縮めて網膜像を拡大していることが多いので、どうしても前傾姿勢が深くなりがちです。また近づいて見るために視作業の運動量が多くなります。その疲労を出来るだけ軽減するために、斜面机が有効です。 拡大読書器 弱視レンズ同様、教科書や辞書などを見たり、ノートをとるなどの作業に使われます。拡大率が高い、読みたいものに応じて倍率を変えられる、白黒を反転できるなどの利点があります。視力の特に低い弱視者にとっては有効な補助具です。 単純化 地図帳などでは、多くの情報が盛り込まれているため、現在の学習にとって不必要な情報も盛り込まれていることがあります。それらは弱視児にとっては視覚的ノイズになり、よリ見えにくさを増すことになります。その学習において必要な内容だけを残して単純化することにより、見やすい教材になります。 |